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宗教と課税 [宗教]

 掲示板等に書かれているような宗教批判の文言は、ほとんどが単に宗教をよく知らない故の偏見と以前に書いたことについて具体例をもうひとつ。
 宗教法人に対して非課税の部分が多いことに批判的な意見が多いようだが、これは批判とすべき事柄ではない。なぜかというと、税を普通に課してしまえば、日本の伝統宗教の文化は多くが瓦解してしまうからだ。
 神社もお寺も、一部の大規模の組織を除いて、ほとんどが零細な法人であり、僅かなお賽銭やお布施だけでは「儲け」などまったく出ない。宮司の肩書きを持っていても普段は会社で働いて生活費を稼ぎ、祭のときにスーツから神主の装束となってようやく神社を維持していたりする。
 大規模で著名な神社なら丸儲けかというと、そうでもない。大きければそれだけ管理する摂社末社も多くなり、建造物の維持、人件費、祭祀執行の費用など莫大にかかる。
 金回りの良いきらびやかな一部の新宗教の姿をもって、それを非課税ゆえの宗教法人の姿だと思って批判するのは、大きな間違いである。新宗教には課税して伝統宗教には課税しないといった差別を設けるわけにもいかないであろうし、伝統宗教と新宗教の区別も難しい。ある仏教の僧侶が「新宗教はいけませんねえ」と嘆いているのを聞いて、創価学会とかのことを言っているのかと思ったら、鎌倉仏教のことだったという笑い話もある(うろ覚え)。
 宗教を隠れ蓑にして金儲けに勤しんでいる宗教者もいるのだろうが、政治家は賄賂を貰い、アイドルは枕営業しているのだ、といった決めつけと同じで、どの世界でも見られるように、そういう人もいるという程度のことだ。宗教思想を含めて儀式も建造物も、多くが文化的価値を持っていることを忘れてはならないだろう。

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