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バイ金マン [雑感]

 アンパンマンというアニメがあまり好きになれない。
 子どもの頃から見ていれば大人でも慣れ親しんでいるのだろうが、自分が最初に見たのは成人後で、当初から現在に至るまで見るたびに何とも不安で落ち着かない心地に苛まれる。
 不快の原因をいま数えてみると、片手では足りなかった。長くなりそうなのでここではそのうちの三つの点についてのみ、書いてみる。
 一つはバイキンマンがよく行う悪戯の手口に、すぐに正体をばらすとはいえ、変装して他者になりすまし、悪行の限りを尽くして本人の評判を下げるということだ。
 このアニメだけでなく、他のドラマや映画でも、もちろん作り物だと分かっていてもこういう場面には心が痛む。共感性の心理というやつだ。ただし「地獄少女」のような作品だと、最初から陰鬱な話だと覚悟しているからか、さほど心は痛まない。おそらくアンパンマンの場合は、気楽に見られるはずの絵柄とのギャップによるのだろう。
 二つめは、上に悪戯と書いたが、どう見てもバイキンマンの行為は時として悪戯のレベルではないことだ。本気で殺しにかかっている。それもアンパンマンに対してだけでなく、ジャムおじさんやバタコさんにまで、嬉々として、ニタニタと笑いながら命を奪おうとする。狂気の沙汰である。これに対する不快も「進撃の巨人」のような作品とは違う、気楽に見られるはずの絵柄とのギャップだろう。
 そして三つめは、何度となくバイキンマンに生活の平和を蹂躙されながら、対策をまったく取ろうとしない精神薄弱的な世界であることだ。脅威をいったん遠ざけるだけで、かりそめの平和に満足するという、錯覚の中に成立している不安定な世界が舞台なのである。
 まるで、今の日本の社会で北朝鮮の挑発行為に理解を示す人たちを見るような心地だ。

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