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宗教の価値 [宗教]

 世の中には宗教を毛嫌いしている人が多い。掲示板等に書かれているような宗教批判の文言は、ほとんどが単に宗教をよく知らない故の偏見だが、多少はわきまえている人でも、科学的合理的な見地から否定的にならざるを得なかったりする。
 人はよく知らない事柄に対しては、何か印象的な具体例を知ってしまった場合に、それによって全体を認識してしまいがちである。おそらくオウム真理教事件をきっかけに、宗教に対する嫌悪感を持つ人は増えたのだろう。そうでなくとも、ただでさえ宗教はよくわからないものだ。
 ニーチェの超人思想のように、人が新しい神となるべきという思想は、胡散臭い宗教を切り捨てるものとして評価される。自分自身も、そのような思想は価値が高いと思う。
 しかし宗教がこの世からなくなって良いとはまったく思わない。神や教祖を崇め、教えに従い、困ったときにすがるばかりが宗教ではないからだ。
 宗教的行為のひとつに、自分を生かしてくれているものに対する感謝がある。このような感謝の念は宗教の存在理由のひとつだと思われるが、人が仮に新しい神となれたとしても、生命を育む自然や宇宙にはなれない。技術によってそれらの一部を代行することはできても、取って代わることはまずできないだろう。こういう類の感謝の気持ちを人は失っていいものかどうか。
 食事の際に「いただきます」という感謝の念を示すことを、人によってはどうでもいい作法と思うのだろうが、失って良いものだとは思えないのである。

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