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御巣鷹山の事故 [報道]

 御巣鷹山日航機墜落事故が取り沙汰されるとき、いつも思い起こすことが二つある。
 ひとつはまったくどうでもいいことだが、当時の自分は大学生で、ポスティングのバイトから帰ってきて疲れ果てているときにこのニュースを見たことだ。
 八月中旬の暑いさなかになぜそんなバイトをしていたのかというと、あまり人と会わなくていいし、肉体を使うといっても歩くだけだったからである。誇るものが僅かながらも知力くらいしかない身ながらそんなバイトしか選択し得なかったような難儀な性格は、三十年たった今でもたいして変わらない。変わったのは、もはや暑さの中を歩く体力さえなくなってしまったことだ。
 そしてもうひとつ思い起こすのは、事故から少し経ってからのことである。
 どこの新聞だったかは忘れたが、ある全国紙の投書欄に次のような趣旨の文章が掲載された。

「生存者たちは大怪我を負って苦しんでいるのに、なぜ自衛隊はヘリコプターにロープで引き揚げるという過酷な救助をしたのか。生存者たちが可哀想ではないか。」

 まったくけしからんことだ、だから自衛隊は駄目なのだ!といった自衛隊批判が展開されており、この状況無視の愚かに偏った主張を読んで、唖然としたのである。
 世の中にはどうしても頭の悪い人、思考の歪な人はいる。もちろんそんな人でも新聞に投書したりするわけで、それを止めることはできない。
 だが、投稿された意見を掲載する判断を下すのは、新聞社の人間なのだ。内容を判断した上で新聞社の人間が、掲載を決定する。決して怠惰な管理者に運営されるネット掲示板のように、どんなに荒唐無稽で筋の通らない意見であってもそのままアップされるというわけではない。つまり採用された意見は、新聞社が活字にして世に広めるべきと認めた意見だということだ。
 読者の筆の背後に隠れての批判だから、まったくもって悪質である。あんな悲惨な事故でも、被害者のみならず救出に向かう側にも相当の苦労を強いられる状況の事故であっても自衛隊批判に利用するという、マスコミの胸糞悪い偏向は、三十年経った今でも変わることはない。
 慰安婦報道の嘘をようやく認めた朝日新聞が、それでも開き直って子供じみた自己正当化をしているところにも、自浄能力をまったく期待できない腐りきった体質を露呈してしまっている。
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