あれから半年

　約半年前、寝起き直前に「あと半年」という言葉が頭に浮かび、あと半年の命なのだなと思ったということをここに書いた。その少し前には「イフヤ坂」という言葉を繰り返し唱えながら目が覚めたことを書いた。
　そんな不吉な目覚めから半年たって、今のところ自分はまだ生きている。
　世間では中国や朝鮮半島やらの反日行動、箱根山の異常な微震、ロシアの隕石落下、小惑星の接近、などといった騒動が立て続けに起こっているが、一方で自民党政権に戻って安倍・麻生両氏のもとで、民主党によってずたずたにされた日本社会の復興が期待されている。では個人的にはどうか。
　不吉な目覚めから半年経った今、個人的には良いことと悪いことがひとつずつ進行中である。
　良いこととは久しぶりの大きな収入が確定したことだが、とはいえ、同世代の月収よりも低い額に過ぎないというささやかなものだ。それでもまあ、良いことには違いない。
　悪いこととは、ここ数年来の希望が潰れそうなことだ。見方によっては、ここ数十年、夢見てきたことの終焉である。それはもはやほとんどこの人生において再取得することが難しい夢の、絶望的な終焉なのである。
　一般的にはごく普通の事柄でありながら、自分にとってはエベレストを無防備で登頂しなければならないほど可能性の低い事柄が確かに今、消えつつある。