遮断。 [雑感]
ふと思い出したこと。
某大学の図書館に入ったとき、そこは図書館だから当然、みんな静かにしているのだが、一人の女子学生が普通の声量で携帯電話に向かって喋っていた。まわりの学生は何だこいつはという目を向けるも、当人は気にせずお喋りを続けている。
女子学生の声だけが、広い閲覧室に響く。
探している本はその女子学生がいる近くの本棚にあり、私は不愉快を我慢しながら目的の本を手にしてめくっていた。しかしいつまでたってもお喋りは止まらない。
我慢ならず、女子学生の前に行き、睨みつけた。すると、お喋りを続けながら、「ん?なに?」といった感じの美形でにこやかな顔をこちらに向ける。まったく悪びれもしない、状況が状況ならこちらが照れるような屈託のない表情である。
恥ずかしながら、私は何も言わず足早にその場を離れた。外見の美しさと言動の醜さのギャップに、恐怖心にも似た戸惑いを覚えたからだった。常識や理屈が通じないとわかっている人間とわざわざ交流を持つ気もない。
突然狂ったとしか思えない非常識な対応を繰り返しため訣別した女友達のことを考えていて、ふとこんなことを思い出した。
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