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消えゆく思い [国語]

 風になびく富士の煙の空にきえて行方も知らぬ我が思ひかな

 西行法師の有名な歌だ。富士山が噴火するかどうかなどと取り沙汰されている昨今だが、それはまあ今回は関係ない。
 この歌を今の自分がしみじみと思うのは、やはり「行方も知らぬ我が思ひ」というものについてだ。
 西行の場合は仏教的な雑念とか無常とかで解釈されるけれども、とりあえず自分に引き寄せるならば、単に、自分の中だけのこの思いは、現実化することなく、誰にも知られることなく、自分とともに消え去ってしまう悲しい運命なのかと嘆くことと結びつく。

 届くことなき思ひのみ抱きつつわが身と魂と今ぞ消えゆく

 やっぱり自作の歌は味気ない。もっと「届くことなき思ひ」の哀しみを読み込められたらいいのだが。
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