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完璧と完壁 [国語]

 改めて言うまでもなく、パソコン・ワープロは普及し、至るところで活用されている。
 もはや手書きで原稿を書くなんて恐ろしく手間のかかることはできない、というところまできている。本当はこんなことでは駄目なんだよなあとは思うのだが、本題から逸れるのでその弊害等について指摘するのは止めておく。
 今ここに書きたいのは、先日、ちょっと驚くものを目にしたことだ。あるテレビ番組で、テロップに「完璧」という言葉を出すところが、「完壁」となっていたのである。完璧と完壁。もはや古典的ともいえる間違いの例だろう。加藤守雄の『わが師 折口信夫』の中に、璧を壁だと思い違いして折口から過ちを指摘される話があるが、少し前に流行った「日本語表現間違い探し」問題でも出題されないくらい定番の間違いである。
 驚いたというのは、ワープロを使わずにテロップが作成されたのか、いやいや機械を用いずにどうやって作成しているんだ?と不思議に思ったからだ。今のワープロで「かんぺき」と打てば、必ず「完璧」と変換される筈だ。あるいは使用していたワープロに何故か「完壁」という単語が登録されたか学習されたかしていて、そのように変換されたのかもしれないが、完壁と出たその文字を見ても間違いだと気づかなかったのなら、それは知識の上での間違いでもあることになる。
 そしてさらに驚いたのは、その完壁の文字のテロップが、画面の三分の一ほどの大きな文字で出ていたことだ。下準備は若い下っ端だろうが、チェックするはずのディレクターがそれを見逃していたということになる。
 まあテレビというものはチンピラのようないい加減な連中が作っていることは、身を持って知っているから、驚くには値しないといえば、そうかもしれないけれども。
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